アユ公園の大水車

 筆者西川は、大屋町明延の生まれ。以前から気になっていた大屋スキー場(若杉高原開発)へアポなし取材を観光。と張り切って電話をかけたところあいにく定休日。意気消沈。仕方なく大屋町加保にある「アユ公園」のレストランで1250円のバイキングを食べる。このバイキングがけっこううまい。主役は山菜であるが、その場で山菜を揚(あ)げてくれる。腹ごしらえが出来たところで、頭にひらめいたのはアユ公園の経営を大屋スキー場が数年前引き受けたという噂(うわさ)、そのことを知りたく受付の女性に確認する。

 「大屋スキー場の専務理事で、ここの支配人なら、今おりますので呼びましょうか?(ツイている)」しばらくして事務所に通される。

アユ公園
池田俊介支配人

 専務理事というからお年寄りかと思いきや、若い。確認すると38歳とのこと。名前は、池田俊介さん。

 「取材と聞きましたが、私自身のことでよろしいですか?」
 「はい!お願いします」「どうやって今の仕事についてのですか?」の質問に一人で話しを始める。

 新潟県の小千谷(おじや)市からIターンで養父市に来たこと、面接のとき「来てくれてありがとう」と藤尾理事長に言われたこと、「お前にまかせる」といわれたこと、それが嬉しくて居ついてしまいましたと笑う。

 もちろん最初から順調にいったわけではない。今でこそ16名の従業員となったが当初は4名。「人がいなくなればこの町はなくなってしまう。だから、人を集めよう」しかし「金はない」「金はないから知恵を出せ」と工夫をする。

星空バイキング

 お客様を集めるために冬のスキー場はもちろんのこと。夏のキャンプ場、ウォータージャンプ、ソリ遊び、トランポリン、また今はやりのグランピング等々のアウトドアな遊びを工夫する。そして集客に火が付いたのが「星空ハイキング」。星空が見たいと夏のキャンプ場は3日間で予約が満杯。養父市で一番人を呼べる企業になったという。

 帰り際、池田支配人の言った言葉が心に残った。「豊かに生きるとはどういうことなのでしょうか。洗濯機ができて便利になった一方で、失われた大切なものがあると思うのです。昔は洗濯板を使って洗濯をしていました。手で洗濯をすることで、健康状態がわかったり、母親の温かみを感じることができたと思うのです。この養父市を地域の人とともに、仕事を通じそんな温かみを感じる場所にしたいのです。」38歳の若者からこんな言葉が出たことに、西川は感動を覚えました。


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